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UTMFと別府大分マラソンを目指す!ランニング人生の軌跡

美ヶ原トレイルラン2014を振り返る

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次のトレイルレースである戸隠トレイルラン(41km)まで10日程となったが、今更ながらではあるが約2ヶ月前に出場した前回のトレイルレースである美ヶ原トレイルラン2014(80k)をここで一度振り返ることで次につなげていきたいと思う。

結果からすれば、64km付近でのリタイアだった。大門峠(最終関門)手前、女神湖付近で大会スタッフからリタイア勧告を受けた。先に進んでもよいがもう最終関門には間に合わないからちょうどその付近から出発する収容バスで大会会場まで戻った方が得策だとのことで、正にその通りだったのでそれに従った。

もうその時には、両足の皮向けやまめの痛みが極限状態にあり、歩くのですら苦痛になってきた時でもあった。悪コンディションの中のレースだったのであるが、完走率が58%と予想より高く、そのことを知った時には完走者に敬意の念を感じると共に改めて自らの至らなさを思い知ったのだった。

では、2014年7月5日(土)に開催された第4回美ヶ原トレイルランの当日は実際に自分にとってどの様なレースだったのであろうか。少し振り返ってみたい。
(時系列のリタイヤレポートは前年と合わせて別の機会に試みたい。)


■前日より雨が降り続き、レース当日も雨の中のスタートとなった

あれ程の雨の中をスタートしたレースは初めてだった。スタート地点に移動する時に既にシューズ内はびしょ濡れ状態に陥っていた。これからこの中までしっかり濡れたシューズで15時間も走るのかと思うと憂鬱になったが、スタートしてしまえばもうどうにでもなれ状態になった。
スタート後のスキー場のゲレンデを上るルートも所々は水が川の様に流れていたり、ぬかるんでいて足を取られるとくるぶしまで泥だらけになる悪路と化していた。

そして、一山越えてからルートがシングルトラックに入ると、ぬかるみ渋滞が各所で発生するという事態を繰り返すことになる。
とにかくズルズルと滑り落ちかねない上り坂又は下り坂を1人ずつ渡っていくのだから時間がかかる。また、ぬかるんでいる登山道を多くのランナーが通過していく訳であるから、どうしても道全体が凸凹状態となり、滑り易くなるのは必至である。
列の後方になればなるほど登山道の状態は悪くなり、「登山道がトレイルレースの影響でこんなに凸凹になってしまって果たしていいのだろうか!?」と目を疑うことも多々あった。
午前4時のスタートで昼頃には雨は上がったが、トレイルの状態は荒らされ放題となっていた。

※レース後の主催者側の発表によれば、この悪条件の中での強行開催についてやトレイルレースによる登山道のダメージ状況などを十分検証の上で来年の開催について検討するとのことの様だった。個人的には引き続き今後の開催を願いたい。

もし、レース前日・当日と雨が降らずにスタートを迎えていたなら・・・、と考えるが、それはそれでもはや仕方のないことで、どんなに悪条件でも58%の完走者がいる訳であるから、では自分はどうすればよかったのかということを考えるべきである。


■足の皮むけとまめの痛みで走れなくなった

今回のトレイルレースでは補給にも気を付けてハンガーノックにもならなかったし、40kmを超えた中盤以降も平地や下りでは走れていたので、序盤から続いた悪路ぬかるみ渋滞がなければ大門峠の最終関門にも間に合って完走できたのではないかと都合の良い様に思い込んでいるところがある。
その真偽を証明する機会は数年後に委ねるとして、今回の敗因の最大の原因はひとえに前日から降り続いた雨とそれに対応できなかった(していなかった)ことにあると思う。

普段から40kmを超える様な長い距離を走ってはいない私などはウルトラの後半で足回りがどうなるかを予想できないところがあった。
今年のチャレンジ富士五湖100kmから両足のまめができそうな場所へワセリンを塗ったのが良かったのかかかとや足裏は一切問題なく100kmを走れた。(足の指同士が擦れて50km過ぎで痛んできたが絆創膏をお互いの指に巻いて事無きを得た。)

今回の美ヶ原でも十分にワセリンを塗ったのだが、雨でびしょ濡れになったシューズ・ソックスの中ではワセリンは全く役に立たなかったのだった。そして、ワセリンを塗ったから大丈夫という思い込みから絆創膏やテーピングを持たずにスタートしてしまった。
雨のスタートだし、できるだけ物を持ちたくないという気持ちがそうさせてしまっていた。

スタートしてから10kmにも満たなかった頃からであろうか、両足の外側のくるぶしの下にチクチクと違和感を感じていた。始めは気のせいかと思い無視していたが、徐々に気になる痛みに変わってきたので、序盤のエイドステーションで両足を見てみるとくるぶし外側下のちょうどシューズと擦れるところに既にソックスに小さな穴が空いていた。
足に濡れたソックスがぴったりと引っ付いてシューズと擦れ続けていたのだろう。その時はソックスを少しずらすなりしただけで先に進んだ。

痛みが無視できない状態になったのは中盤に差し掛かったところだった。
ほぼ中間地点の和田宿のエイドステーションで、一度シューズを脱いだ。傷口には血がにじみ完全に皮がむけている。ソックスをずらして傷口がシューズに当たらない様にし、またシューズの紐を緩めて次の水沢峠へ向かった。

どうにか痛みを感じないような脚の運びを探りながら進んだ。
それが影響したのか、左足の足裏にもまめができたようで痛み出した。
長門牧場のエイドを過ぎてからは痛みが時たま激痛に変わり、当然走ることはできず、歩くこともままならない状況になってきた。

足の痛みに耐えながら荒らされ放題の遊歩道を歩き進め大門峠へ向かうが、この時既に大門峠の関門は無理だと気付いていた。
そして、女神湖に出た所で大会スタッフよりリタイヤ勧告を受けて、足の痛みから解放されたのだった。

その後、収容バスで大会会場へ戻ってから、足裏を確認したら今までに見たことのない位に白くふやけていた。もう少しではがれそうだった。両足くるぶし下の傷もかなり削られていた。肉が見えかかっているかのようだった。


■今後への教訓

もし、序盤の両足くるぶし下の違和感に早急に対処ができていれば違った結果になったのかもしれない。「ワセリンを塗ったから絆創膏やテーピングは不要だ。」という思い込みは捨てて、全て必要なものは持って行くという基本姿勢が必要である。

制限時間ギリギリを目指す者としては、何が起こっても対処できる位の装備を用意するべきなのであろう。

また、今回の様な濡れてすべるトレイルを行くことが予想される場合にはシューズ選びにも慎重になる必要があると思われる。私の場合はトレイルラン用としては、かなり以前から使用しているアシックスのGT-2150 ALLROADというシューズしか持っていなかった。

トレイルレースは年に1度走るかどうかという状態だったので、GT-2150 ALLROAD(ロード・トレイル兼用)を使い始めてから3年くらい新たなトレイルラン専用シューズを買うことがなかった。
しかし、今回の滑り易い悪路を延々と走ってみて、やはりどんな状況をも想定してトレイルラン専用シューズを使うべきだと改めて痛感した。

美ヶ原トレイルランは来年以降はどのような形になるのかは分からないが、もし同様の80kのコースが開催され続けるのであれば、また数年後くらいにチャレンジしてみたいと思う。

今回は自分の中では80kmの部に出場したのではあるが、40kmの部を完走したのだ位に思っておくことにしている。